族は、添字集合からの写像、あるいはその像を集合とみなしたものらしい。
ともかく、それは物の集まりであることは間違いなく、その順序性は必要なときに用いる程度で考えられている気がした。
そもそも僕が族をテーマとして扱ったのは測度を勉強したいからで、そのときに完全加法族という語が出てきたからだ。
ようやく、話が完全加法族まで戻ってきた。あと少しだ。
完全加法族にはたくさんの別名が存在する。
- 完全加法族
- 可算加法族
- σ-加法族
- σ-集合代数
- σ-集合体
接頭辞のσは可算無限を表すらしく、大体は可算無限の加法族ということらしい。
後半の代数とか体とかも、性質を別の語に表したもののようだ。
\(X\)の部分集合族*1\( \Sigma \subseteq 2 ^ X \)が次を満たすとき、\(\Sigma\)を\(X\)上の完全加法族であるというらしい。
- \(\Sigma\neq\emptyset\)
- \(A\in\Sigma\Rightarrow A^c=X\setminus A=\{x\in X|x\notin A\}\)
- \(A_1,A_2,\ldots\in\Sigma\Rightarrow \bigcup_{i=1}^{\infty}{A_i}=A_1\cup A_2\cup\cdots\in\Sigma\)
3番目を可算併合とかいうらしい。可算回の併合(集合和)、あるいは可算個における併合のことを指すのだろう。
ドモルガンの法則を3番目に使うことにより、可算交叉についても閉じていることが言える。
1番目の条件の代わりに、\(\emptyset\in\Sigma\)あるいは\(X\in\Sigma\)としても同じことが言える。これを条件に置く場合もあるのだとか。
ともかく、完全加法族とは部分集合族であって、補集合演算、可算回の集合和、集合積について閉じているものの内、自明でないものを指すらしいことが分かった。
小難しい語を使ってたが、わかってみればどうということはない代物でしたね。
可算回の集合和、集合積とわざわざ言及するということは、可算回の演算を施すことによって、有限回とは違う結果が得られる場合があるということだろうか。
残念ながら例が思いつかないけれど、普通の足し算とかならそれっぽいことが発生する(())ので、まぁそういうものなのだろうととらえておく。
この部分を有限にしたものを有限加法群というらしく、次の条件を満たせばよいらしい。
- \(A\in\Sigma\Rightarrow A^c=X\setminus A=\{x\in X|x\notin A\}\)
- \(A_1,A_2,\ldots,A_n\in\Sigma\Rightarrow \bigcup_{i=1}^{n}{A_i}=A_1\cup A_2\cup\cdots\cup A_n\in\Sigma\)
が、これでは\(\emptyset\)も許容されてしまう。
有限加法族だと有限が許容されるのか、もしくは加法族は自明なものをそもそも許すのか、あるいはその逆か...
自明なものが含まれるか否かはその都度見てみるとして、基本的には含まれないとしといてもよさそうである。
*1:集合族の部分なのか部分集合の族なのかわかりづらいが、どうやら後者らしい。